愛車と仕事
- tyamasaki82
- 9月13日
- 読了時間: 3分
私はオートバイが好きだ。今さら言うまでもないことかもしれないが、ツーリングに出かけたり、気分転換にふらりと走ったりと、ツアラー寄りの250ccの愛車を所有して楽しんでいる。ただ、休日しか乗らないのは少しもったいない。そう思い、どうにかバイクに乗ることを仕事にできないかと探し始めた。
そして見つけたのが、水道メーターの検針の仕事だ。業務委託という形態だが、決められた期間内に件数をこなせばいいので、時間に縛られない自由な働き方ができる。特に地方の田舎道では、軽自動車ではすれ違うこともできない、というような細い道も多い。そんな道をスイスイと走り抜けるには、バイクが最も効率的で、この仕事のために中古の125ccスクーターを手に入れた。
実際に仕事を始めてみると、想像以上に快適だった。仕事なのか遊びなのか分からなくなるほど、バイクで移動する時間が心地よい。しかし、すべてが順風満帆というわけではない。一軒一軒が隣接する団地では、バイクを降りて押して歩く必要があり、少しばかり面倒に感じる。また、平坦で住宅が密集している場所では、バイクをどこかに停めて歩き回る方が効率が良く、楽しみが半減することもある。それでも、大好きなバイクで田舎道を走り、仕事をするのは、やはり格別の気持ち良さだ。
この仕事を始めて、安全対策について改めて考えさせられた。ツーリングの際は当たり前のプロテクターも、真夏に着けたままでは熱中症の危険がある。かといって、外してしまうのは不安が残る。安全性と、快適性・効率性。この三つのバランスをどう取るべきか、日々試行錯誤している。ヘルメットも同様だ。ジェットヘルメットでは重くて仕事にならないため、郵便局の配達員が半キャップヘルメットを被る理由を身をもって知った。これも安全性とのトレードオフだが、十分に注意を払い、自己責任で乗りこなすしかない。
バイクでの移動を伴う仕事は、ストレスが少なく、楽しんで続けられることが何よりも重要だ。例えば、時折経験するフードデリバリーの仕事は、その点が大きく異なる。料理を崩さないように注意しながら、交通量の多い街中を急ぎ、車や歩行者に気を配る。こうした時間の制約や周囲の環境が、バイクに乗る本来の楽しみを半減させてしまうように感じる。
バイクを安全に、そして心から楽しんで仕事にするには、移動そのものが目的となるような働き方が理想的だ。例えば、写真や動画の撮影のために、交通量の少ない道を巡る仕事など。自分で移動のペースやルートをコントロールできる仕事は、バイク乗りにとっても、そして周囲にとっても、最も良い働き方なのではないだろうか。
また、もうひとつ考えているのは、ショートツーリングを兼ねたキャリアカウンセリングだ。都会の閉鎖的なオフィスではなく、自然豊かな田舎の道をバイクで走り、開放的な環境で一対一の対話を行う。バイクでの移動を通じてクライアントの心も解き放ち、より本音で語り合えるような、そんな新しい形のカウンセリングに挑戦してみたい。
時間に融通が利き、愛車と共に移動できるこの仕事は、他にない魅力がある。しかし、メーターを読むたびに膝をついてしゃがみ込む動作は、いずれ体の負担となるだろう。歳を重ねるごとに続けるのが難しくなるかもしれない。

コメント